花を見て、人を思い、いにしえに思いを馳せる心の旅

我が家の小さな庭に、ナツツバキの木があります。
植えて、25年ほどになります。

横浜市青葉区 庭 ガーデンデザイン



芽吹きが綺麗で、幹がパッチワークのような
まだら模様が気に入っています。
しかし、花は愛でる暇もなく、
一日で、散ってしまうので、
あまり好きではありませんでした。

しかし、今年は毎日、沢山の花が咲きつづけ、
見上げては、その美しさに、
改めて驚いています。
地に落ちた、まだきれいな花を拾って
水鉢に浮かべたりと
楽しんでいます。
こんなに花を楽しめるのは、
きっと職人さんの剪定技術の賜物かと思います。

とても美しいので、花の写真を叔母に送ったところ、
すぐに「沙羅双樹」と返事がありました。

祖母は、山口から京都まで、沙羅双樹を愛でながら、
琵琶の音にあわせて語る平家物語を聞きに行っていた、
ということを初めて聞きました。
亡くなった母も、叔母たちも歴史物が好きで、
平家物語のロマンをよく聞かされたものでした。
私も勧められて、まだナツツバキも知らない頃でしたが、
吉川英治の平家物語を読んだことがありました。

植えて25年余り、
ナツツバキが平家物語の沙羅双樹ということを
忘れていましたが、
花を愛でながら、
祖母が沙羅双樹の花を見つめ、
琵琶の音にいにしえに心を寄せていた様が、
目に浮かびました。

暮らしのそばの小さな自然で、
花を美しいと思い、亡くなった人を想い、
いにしえに思いを馳せる。

花の美しくも儚い姿から、
心が、時空を越えて旅をした感があります。

もうすぐ、ナツツバキの花も終わりです。
素敵に剪定してくださり、
楽しい初夏を過ごせました。
ありがとうございました。

「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
奢れる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。
猛き者もつひには滅びぬ。
ひとへに風の前の塵に同じ。」

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