次世代につなぐ里山の思い(コナラの木とバイオネスト)

横浜市青葉区は、今から50年前の1970年代に
大規模に開発されて現在に至ります。
かつての青葉区は川沿いに田んぼがあり、
その両側に雑木林が広がる「谷戸」と言われる
里山の風景があちこちに広がっていました。

横浜市青葉区寺家ふるさと村の谷戸の景色


里山の雑木林で代表的な「コナラ」の木は、
暖をとったり、料理の煮炊き、ふろを沸かしたりと
日本人にとって、大切なエネルギー源でした。

開発に伴い、雑木林が伐採され、
風景が急速に変わっていく中、
たまプラーザに1本だけ残してくれたコナラの木がありました。
このコナラの木の樹齢はおそらく150年。
長いこと、地域の人の暮らしを支えてきたことかと思います。

残念なことにその大コナラが去年枯れてしまいました。
しかし最後に落としであろうドングリから
若い苗木が親木のそばで、元気に育っていました。

先日、このコナラがあるたまプラーザ団地で、
剪定した枝と、落ち葉を使って、バイオネストを作りました。
毎年、秋になると大量の落ち葉が
ビニール袋に入れられて捨てられていましたが、
その落ち葉でマルチングをして、
コナラの苗木を移植しました。

1年経って生長したコナラの苗木

落ち葉は微生物によって分解され、
土を豊かにしてくれるので、
コナラの子どもたちも元気に育ってくれると思います。

開発時、風景が変わっていく中、
コナラを1本残してくれた先人の想い。
自然の循環を大切に暮らしていた
昔の暮らしに思いを馳せて、
このコナラに込められた想いを次の世代につなぎたいと
思いました。

このコナラを発見し、
またバイオネストを発案した
尊敬するランドスケープデザイナーの
田瀬理夫先生。
ご指導くださった素晴らしい職人さんらに
感謝をしたいと思います。

庭は庭の範囲だけでなく、地域の環境、
景観も含めて考えていくことが大切だと
思わされています。

剪定した枝で縁取りをして落ち葉でマルチングしたバイオネスト


横浜市青葉区
たまプラーザ
オーガニックでデザインされた庭を。
ガーデンコンサルタント
ガーデンデザイン One Seed

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