暮らしを愉しむ
晩秋の候、庭の落葉樹も、行く季節を惜しむかのように
一日、一日と違う表情を見せて楽しませてくれます。
母が祖母の実家から持ってきてくれた
小さな火鉢の存在を思い出し、
庭の物置から出して、きれいに洗いました。
庭の木の枝を摘んで生けてみました。
隣の器はある素敵なお宅のガレージセールで買った
大振りの白い器と草木染の布。
こちらにはやはり庭で色付いた
赤い実を浮かべました。
奥のろうそく立ては昭和初期に造られたガラス。
ゆらゆらとゆらめく昔のガラスの質感が温かみを
灯してくれます。
何十年も前に使われていた火鉢ですが
庭の枝を摘んでさすだけで、
昔とはまた違った、新たないのちが生まれます。
そして、今は亡きはるか遠い昔の人たちを思います。
そこに手を寄せて、温めあったであろう小さな火鉢。
母や祖母やもっと前の人々の生きた面影が
ふんわりと伝わるような空間になりました。
古いものを使って
今の生活に彩を添える。
庭もそうですが、「暮らしを愉しむ」。
これはささやかでありながら、
とても満たされる
贅沢な時間です。
育てながらの庭造り
横浜市青葉区ガーデンコンサルタント Oneseed